毛布を重ねても寒い夜。寝床の見直し方
羽毛ふとんも、毛布も使っている。
寒さ対策はできているはずなのに、
それでも「寒い」と感じる夜があります。
とくに真冬の寝室では、眠りにつくときや、
朝方にふと目が覚めたとき、
寒さを感じることも少なくありません。
その寒さは「上」に掛けるものではなく、「下」に原因があることがあります。
盲点は「下」にある。冷えの正体は物理現象
冬の寝室では、目に見えない温度差が生まれています。
冷たい空気は温かい空気よりも重く床へ沈み込み、その結果、床付近の温度は天井付近より 1〜3℃低くなることもあります。
さらに、人の体温は上方向だけでなく、接しているマットレス側からも静かに失われていきます。
つまり、上からの寒さ対策が万全でも、下からの冷えを遮れていなければ寒さは残る——
そんな構造になっているのです。

「背中の寒さ」を断ち切る、ベッドパッド(敷パッド)という選択
ここで見直したいのが、ベッドパッドの役割です。
敷パッドは、寝心地を良くするためだけのものではありません。
体とマットレスの間に一枚入ることで、次のような体感温度に直結する働きを担います。
- 背中側から逃げる熱を抑える
- 体と寝床の間に、空気と湿度の層をつくる
- 明け方の冷え戻りを起こしにくくする
「羽毛ふとんも毛布も使っているのに寒い」と感じる場合、
この背中側の環境が整っていないケースは少なくありません。

なぜ、敷パッドには「羊毛(ウール)」が向いているのか
敷パッドにはさまざまな素材がありますが、冬の背中の寒さ対策として、
物性の面から見て理にかなっているのが羊毛(ウール)です。
羊毛は、繊維の中に空気を含み断熱性が高いことに加え、
湿気を吸って外へ放出する性質を持っています。
そのため、単に温めるのではなく、
熱を逃がしにくく、蒸れによる冷え戻りも起こりにくい環境をつくることができます。
素材別|敷パッドの保温性比較(冬)
| 素材 | 保温性 | 調湿性 | 冬の背中の寒さへの適性 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 羊毛(ウール) | ◎ | ◎ | 非常に高い | 断熱と湿度調整を同時に行える |
| キャメル毛 | ◎ | ○ | 高い | 保温性が高いが製品数は少なめ |
| 羽毛入り | ○ | ○ | 中程度 | 体圧で潰れやすい |
| 綿(コットン) | △ | ○ | 低〜中 | 吸湿性はあるが断熱性は控えめ |
| ポリエステル中綿 | △ | △ | 低い | 軽いが熱が逃げやすい |
| 高反発樹脂系 | △ | ◎ | 低い | 通気性・体圧分散重視の設計 |
※感じ方には、体質や住環境による個人差があります。
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住環境に合わせて「寝床の土台」を整える
背中の寒さ対策としてベッドパッドは有効ですが、住環境によっては床からの冷えが影響していることもあります。
たとえば、
1階の寝室、フローリングにマットレスを直置きしている、冬になると床がとくに冷たく感じる——
こうした環境では、床断熱を併せて考えることが有効です。
- マットレス下にコルクなどの断熱材を入れる
- すのこやベッドフレームで空気層をつくる
こうした工夫は、寝床全体の冷えを抑えるための土台づくりになります。
ただし、体感温度を直接左右するのは、あくまで体に最も近い「背中側」。
床断熱とベッドパッドは、役割の異なる対策です。
- 床断熱:床から伝わる冷気を抑え、寝床全体の冷えを軽減
- ベッドパッド:背中側の体感温度と湿度を整える
状態に合わせて組み合わせることで、無理のない寒さ対策ができます。
今あるものでできる、静かな工夫
「寒さは感じているけれど、すぐに買い足すのは難しい」という方は、
使っていない毛布やタオルケットを一枚、下に敷くことをおすすめします。
それだけで背中から逃げる熱が抑えられ、体感温度が変わることがあります。
また、足元に湯たんぽを置くことも、血流を促し、全身を温めやすくする理にかなった方法です。
あたたかさは、「重ねる」より「整える」
寒さを感じたとき、私たちはつい“足し算”で解決しようとします。
けれど本当に大切なのは、今ある熱を守り、活かすことです。
どこが冷えているのか。なぜ寒いのか。
その原因を見つめ、必要な場所に、必要なだけ手を入れることが、寒い夜を穏やかな時間に変えてくれます。
静かに整えた寝床で、冬の夜が、少しでも暖かいものになりますように。



